東京都心で7月に雷を観測した日数は7日で、1カ月の日数としては最近50年間で最も多かったことが、気象庁の統計で分かった。夏の太平洋高気圧の勢力が例年より弱く、大気の状態が不安定になることが多いため。地球温暖化や都市部のヒートアイランドも影響しているとみられる。落雷で家電製品が故障する被害も相次ぎ、家電量販店などが対応に追われている。【樋岡徹也、神澤龍二】
気象庁によると、7月の雷観測日は4、7、12、14、18、27、29日の計7日で、平年(2.3日)の約3倍。8月も既に3日で、平年(2.5日)を超えた。村中明・主任予報官は「例年なら太平洋高気圧が日本全体を覆うが、今年は勢力が弱い。上空に寒気が入り込む一方、下層には湿った暖気があるため、大気の状態が不安定となり、雷雲が発生しやすい」と分析する。
他都市の7月の雷観測日は▽名古屋4日(平年4.5日)▽大阪4日(同3.2日)▽福岡4日(同4.3日)−−とほぼ平年並みだが、8月は18日現在で、福岡8日(同5日)、大阪6日(同3.5日)と既に平年を上回っている。
落雷によって7月以降、判明しているだけで全国で3人が死亡し、家電製品へも影響が出ている。東京都江戸川区の家電量販店「コジマNEW江戸川店」には、8月だけで落雷の影響とみられる修理相談が約30件あった。アンテナに直撃してテレビが映らなくなったり、ファクスが故障したりするケースが多かったといい、男性店長代理(34)は「落雷と大雨がひどかった8月中旬は1日10件以上の相談が立て続けにあった」と話す。
落雷が相次いだ山梨県富士吉田市の「ノジマ富士吉田店」でも、故障の相談が多い日には1日20件あり、7、8月で計100件を超えたという。電話機器類の故障の相談が突出し、男性店長代理(39)は「昨年のこの時期は数件しかなかった。今年は異常だ」と驚きを隠さない。
家電製品に被害が相次ぐのは、雷が直撃しなくても、電線や通信線を通じて異常な電流が流れる「雷(らい)サージ」が起こり、家電製品の基盤などが破損するケースがあるためだ。財団法人・電力中央研究所の新藤孝敏・上席研究員は「雷サージの対策は、雷の音を聞いたら、電源を切ってコンセントから抜くしかない。最近は耐雷保護装置なども家電販売店で購入できるので、自己防衛策として装着するのも良い」と話している。
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